京都アート・クラフトマーケットを終えて
先日、3日間の出展が無事に終わりました。お越しくださった皆様、気にかけて下さった皆様、どうもありがとうございました。
今回の出展は今までと変えた点もいろいろあり学びも多かったため、せっかくなのでひさびさにブログでも書いてみようと思った次第です。
書き始めると長くなる性分です。お時間のある方のみお付き合いくださいませ。
今回変えたこと
今回からの試みで、台紙を変更してみました!
お気づきでしたでしょうか?
いままで黒い台紙をつかっていましたが、もうすこしオリジナリティを出していこうということで、こんな感じに変えてみました。
こちらはすべてちまちま自作したもの。
大きい台紙ははがきサイズの紙を半分に切るところから始め、その後角を丸くし、はんこをぽんぽん押して、最後にそれぞれの作品に合わせて穴をあけたものなります。
本当は印刷の発注をしたかったのですが、どう考えてもデータ入稿が間に合わなかったため、苦肉の策としてはんこ屋さんにてはんこを注文することにしました。
届くのが早くてびっくり!どうもありがとうございました!!
その後名刺兼ショップカードが底を尽きかけているのにも気づいたので急遽QRコードはんこも発注。
みんなのはんこ屋さんには足を向けて寝られません。
台紙を変えたおかげか、作品がよく見えるようになり、結果としてお客様の手に取っていただく回数がぐっと増えたのが今回の収穫です。
とくに虫シリーズは前回よりいるのですが、今回お褒め頂く回数がめちゃくちゃ増えて、結果として私の推しのルリモンハナバチちゃんとカミキリムシちゃんがお迎えして頂けました!わーい!!
カミキリムシちゃんは素敵なおじさまがジャケットの襟元につける用として購入して下さり感無量でございます。
そして台紙の変更にあたって、自分の接客方法も少しだけ変えてみました。
今まではテンプレートのような文言を繰り返すしかできなかったのですが、お手に取っていただく機会が増えたため、その一つ一つについてちょっとしたこだわりをお話しするようにしてみたのです。
私の作品は基本的には1点物ばかりで、使っているビーズや配置にそれぞれこだわりと愛着と思い入れがあります。
それをお話しすれば良いのだと気づけたあるきっかけがあったため、今回の接客で取り入れてみました。
まだまだ試行錯誤中ですが、少しずついろんな部分をアップデートしていきながら、もっともっと成長していきたいなぁと思います。
ちなみに次こそはアナログじゃない台紙にしてみせます…!
名刺もいつも使ってるとこサービス終了しちゃったのでこれからじっくり検討しなきゃ…!
あせらずでもちゃんとやりたい時に間に合うように、粛々と準備を進めていきたいものです。
「作り手」や「マニア」と話す楽しさ
京都アート・クラフトマーケットならではだなぁと思うのが、お客様の中になにかモノづくりをされている方がとても多いということです。
そもそも出展者の方々のクオリティも高く、作家というよりは職人というような方がたくさんいらっしゃるのですが、それを見に来る方々も目が肥えていらっしゃること…!
ハンドメイドイベントの来場者というとどうしても女性が多い印象ですが、アート・クラフトマーケットではご夫婦連れや男性おひとりの方も多く、お話を聞いてみるとすごい経歴の方が紛れ込んでいることも多々あります。
今回出会えたのは蒔絵の職人のおじさま。
作品をじっくり見て下さり、その細かさや手間を褒めてくださいました。
ご自身も蒔絵という繊細な作業をしているため、そのかけた時間や苦労はよくわかるとのこと。
私よりもずっと長い間制作をされている方からそう言っていただけるのは本当に嬉しく光栄だなぁと感じます。
そしてもう一人、とても印象的だったのがとある外国人の男性。
私の髪を見て「長さはどれくらいありますか?」ととても流ちょうな日本語で話しかけてきたのです。
すこし怪訝に思いながらお話を伺うと、男性はフランス人で、来年の万博に向けて400年前の日本を題材にしたアニメを制作するスタッフの1人であり、日本の歴史や文化に興味があるとのお話でした。
その流れでそのまま作品も見て頂きじっくりお話しできたのが嬉しかったです。
このようにアート・クラフトマーケットでは年齢や国籍を問わない様々な出会いがあります。
自分と違うジャンルとはいえ、何かを作られている方々の目線は独創性があり、お話を聞いていると自分に還元できるものがたくさんあるなぁと感じます。
ファンと呼べる方々の存在
今回の出展で改めて感じたこと。それは、「みずうみのほとり」のファンと呼べる方々の存在を徐々に実感し始めたということです。
作家を始めてから手探りの日々が続いていたためなかなか実感できるところまでいっていなかったのですが、いつのまにかお客様の中に顔なじみの方ができてきて、「お久しぶりです」「いつもありがとうございます」とお声がけすることが増えてきました。
それって本当に幸せなことだと思うのです。
その中で今回は素敵なお手紙までいただいてしまいました…!
内容がもう嬉しすぎてありがたすぎて、読んで涙があふれて止まりませんでした。
いっぱいいっぱいな中での出展だったのもあり、優しさに触れるともうアカンのですよ。
お手紙は大事に保管して、また迷った時や元気が欲しいときに何度も読み返したいなぁと思っています。
もちろんSNSを見ていますと言っていただけるのも嬉しいですし、これからフォローしますねと言っていただけるのも嬉しいです。
これからまた今までとは違う場所での出展も控えていますので、お暇があれば足を運んでいただいて、気軽にお声がけいただければと思います。
なじみの出展者さんたち
ファンと呼べる方々以外に、出展者さんの中にもなじみの方々が増えてきました。
私はもともと自分から話しかけるのが苦手で、アート・クラフトマーケットにも6年前から出ているわりになかなかほかの方々と交流ができずにいました。
それでも話しかけて下さる方がいたおかげで少しずつ自分からも話せるようになり、数年前からは顔なじみの方が増え、今では出展のたびに少しずつその輪を広げることができるようになってきました。
皆さん素敵な作品を作られる方ばかりなので、それぞれのブースを見て回るのも楽しいし、その中でそれぞれのこだわりを聞けるのも楽しいし、作家ならではの情報交換ができるのも楽しいです。
こぢんまりしたイベントだからこそ、よりゆったりとしたいい雰囲気の交流ができるのがアート・クラフトマーケットならではだと思います。
「好き」を追求するということ
今回の出展では、販売用ではない展示作品のコーナーが前回以上に充実しておりました。
こちらは白孔雀のバッグとできたてほやほやの牡丹のネックレスです。
この作品たちは「自分のやりたいと思ったことをとことんやる」「己の限界を出し切る」との目標のもとに、その時の自分の持てる技術の全てを注ぎ込んだ作品たちです。
今回の出展で、この2作品について特にお褒めのお言葉を頂けることが多く、通りすがりの方がわざわざ足を止めて見入って下さるということも何度もありました。
全力を出し切ることで見えてくる世界があると教えてくれた作品でもあるので、こうして見ていただける機会があり、さらに「これはすごい…!」と言って頂けるのは本当に嬉しいものです。
そして上のお写真は趣味に突っ走りまくったお人形コーナー。
フィギュアスケート、ミュージカル、そして宝塚のドールチャームがずらっと勢ぞろいしております。
私が販売しているお人形はあくまでご本人かご家族の方からのご依頼のみをお受けしているタイプの受注制作品です。
写真のお人形たちは有名人や作品を模したものであり販売することはできませんしするつもりもありません。
けれどせっかく作ったのだし増えてきちゃったから見てもらいたいなぁということで、展示だけしています。
こちらのお人形について、今回「このコーナーからはあなたの好きっていう気持ちがあふれまくってて本当に素敵!」とのお褒めのお言葉を頂けました。
自分が好きなものを楽しく作り公開するなかで、それを良いとか面白いとか言って下さる方が徐々に増えてきたのは本当に嬉しい限りです。
ビーズ刺繍作家としてだけではなく、こういった面もまた「私」なので、このまま私らしく「好き」を追求していけたらと思っています。
家族のありがたさ
今回の出展は特に、家族の支えがなければ乗り越えることができませんでした。
実は家族のことと自分のことでいろいろあり、8月9月は実家で生活をしておりました。
そのあいだずっと、母と、一緒に帰省していた姉と甥がそばで支えてくれました。
母は毎度出展を手伝ってくれるのですが、今回も準備をしているうちに不安が生じたら話を聞いてくれ、いつも私の心に寄り添ってくれました。
姉はとてもセンスがいいので、色の組み合わせに迷ったときには相談に乗ってくれ、常に私が制作に時間を割けるよう取り計らってくれました。
4歳の甥は私が制作しているところを初めて横で見たのですが、ぎりぎりまで顔を近づけてキラキラした目で作業を見守り、すこし進むたびに「すごぉーい」「じょうずじょうず」とかわいい声で褒めてくれました。
制作はもともと孤独な作業です。
自分の頭の中にあるものを取り出せるのは自分しかおらず、私の代わりは他にはいません。
それは誇らしいことであると同時に苦しいことでもあります。
しかし今回、ひとりで作っているのではないと思える瞬間が何度もありました。
もう無理だと思ったときにそばにいてくれる存在に本当に救われました。
家族には感謝してもしきれないです。
みんなほんとうにありがとう!
改めて、出展を終えて
今回の出展を終えて、見えてきたものが色々とありました。
もっとこうしたかったのになという部分と、ぎりぎりの中で精いっぱいやり切ったという思いと、いろいろな感情がぐちゃまぜになっています。
けれど全体的にはとてもいい気分で出展を終えることができたのです。
この作品は評判が良かったから今後もっと増やしたいなぁとか、ここの見せ方をこうすると良いんだなぁといった、具体的な方法が実感できたのが大きな収穫となりました。
このあと10月1日から9日にはとにかく見てくれ展の大阪展示会、そして11月の終わりから12月にかけては西宮でのビーズ刺繍講座と初めての阪急百貨店出展と地元名古屋の東急ハンズでの出展が控えています。
自分にとっては大きな挑戦や新たな冒険が目白押し、そんな1年の終わりになりそうです。
明日にはみずうみのほとりの作家活動7周年を迎えます。またそれについても振り返ろうと思いますが、長くなってまいりましたので今回のところはこれにておわりにしたいと思います。
ここまでお読み下さりありがとうございました!
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