2023年を振り返って
2023年も今日でおわり。あっという間ですね…!
今年はもっとブログを更新しようと思っていたのにいろいろあったせいで気づけばもう大みそかになってしまいました。
ちなみに前の投稿はちょうど去年の大晦日(笑)
実に1年ぶりのブログ更新となります。
この1年、よかったこと
この1年、みずうみのほとりは過去最高に充実した年となりました。
今までの作家人生でいちばんたくさん作っていちばんたくさん売りました。
リピーターさんが増え、出展時に「いつもSNS見てます」とか「ずっと実物を見たいと思っていてようやく夢が叶いました」と言っていただけるようになり、作家としてはじめて手ごたえを実感できるようになった1年でもありました。
それだけでなく、素敵な作家さんたちとの出会いもたくさんありました。
はじめましての方だけでなく複数回ご一緒する方も増えてきて、たくさんの学びをいただいたり、他愛もないおしゃべりで盛り上がったりと、「作家さんとの交流って楽しいなぁ」と思えた1年でもありました。
この1年で人としても作家としても本当に成長できたと思います。
お客様も、作家さんも、みずうみのほとりに出会って下さったすべての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです!
みなさま本当にありがとうございました。
この1年、たいへんだったこと
本当にたくさんのいいことがあった中で、今年を振り返るうえでどうしても避けては通れない、つらい出来事もありました。
5月29日、父が亡くなりました。62歳でした。
2021年に病気が判明して1年半ほど、もっといけると思っていた矢先の、あまりに急な出来事でした。
まさか自分が20代のうちに父がこの世からいなくなってしまうなんて思ってもみませんでした。
というより、いまだに「なんで?」という疑問符が頭を飛び交っています。
この「なんで?」にはそれはそれは複雑な思いが込められているのですが、そこを掘り下げると長くなってしまうので今はさらっと流します。
父の死後、私は姉と母が驚くほど早くハンドメイドの制作を再開しました。
というのも、7月半ばにうめだ阪急での出展が控えていたからです。
奇しくもそれは父の四十九日とどんぴしゃで重なる日程でした。
私には悲しんでいる暇がなかったのです。
制作のおかげで良い気分転換ができたのも事実です。
私には好きなこと熱中できるものがたくさんあってよかったなと思いました。
けれどやっぱりそれは自分の感情から逃げていただけだと後から気づきました。
直視してしまうと立ち止まって動けなくなってしまう自分がいるから、見ないふりをして、そっと蓋をして、避けて歩いていただけに過ぎないのです。
自分では意外とすぐに日常に戻れた気がしていましたが、心の内には大きな変化がありました。
「決断ができない。」「判断ができない。」
何事もどうしたらいいか決めきることができません。
一例をあげると、色の区別がつきづらくなっていました。
「どう組み合わせたら一番かわいいか」の判断もできません。
私は形も色も大きさも様々な500種類くらいのビーズを持っています。
普段はその中から使いたいものをわりとすぐに選び出せるのですが、しばらくは何をどう使っていいのかさっぱりわからなくなっていました。
普段の制作時に無意識下でいかにいろいろな決断を下しているかに気づいた瞬間でもありました。
そんな風にいつもとは違う精神状況の中でも制作の手を止めなかったのはある思いに突き動かされていたからでした。
「間に合わなかった。」
その思いです。
私は百貨店に出展している姿を父に見に来てほしかったのです。
というのも、父は私のハンドメイド業を仕事として認めておらず、そんな父を見返したいという気持ちが常に心の片隅にあったからです。
父と私はとても仲が良かったものの、時には大いにケンカしすれ違うことも多々ありました。
2人だけで一緒に喫茶店に行ったり映画を観に行ったり海外旅行に行ったりと、楽しい思い出もたくさんあります。
その一方で、「決めた道を堅実に歩いてきた父」と「好きなことをとことん突き詰めたい私」との間には溝があり、その溝が年々深まっていることをお互いが感じていました。
私は頭の固い父に反発しながらも、どこかでずっと「ありのままの私」をそのまま受け入れてもらえる日が来ることを願っていました。
そのうえで、私の大好きなものを同じように好きになってほしいし認めてほしい、ずっとそう思っていました。
父にも「ハンドメイド業=仕事」だと思ってもらえるわかりやすい成果、それが「百貨店に立っている姿を見てもらうこと」だったのです。
はじめて百貨店に出た去年の秋冬、父はリハビリ施設に入所中でした。
父に実際に来てもらえるチャンスはつぎに持ち越しです。
それが今年の9月、地元名古屋でのハンズ出展でした。
チャンスが訪れるその前に父は帰らぬ人となりました。
父に認めてもらうために、というがんばり方はもう通用しなくなってしまいました。
そのうえで私は気づいたのです。
本当は私がわたし自身を認め切れてなかったのだなぁと。
30歳が目前になってきて、それなのにまだ何者にもなれていない自分の姿に、ただひたすら焦っていたのだということに気が付きました。
自分を認めるのは自分自身です。
父に直接見てもらうことが間に合わなかったとしても、ここまで私はほんとうによくがんばったので、わたし自身が自分に「よくがんばったね」って言ってあげられるようになったらそれでいいのです。
頭ではわかっていても、なかなかそれが難しいんですけどね。
そんなことをぐるぐる考え続けた7ヶ月でした。
2023年を改めて振り返ってみて
やっぱり私はよく頑張ったなぁと思います。
7月のうめだ阪急、9月の名古屋ハンズ、10月の京都アートクラフトマーケット、11月のうめだ阪急、そして12月の名古屋ハンズ。
父の死後も休まずずっと走り続けてきて、今までにないハイペースで出展を重ねていくうちに、成長したなぁと思えることがいくつかありました。
まず、作るスピードが格段に上がりました。
次の出展までに最低〇個はつくりたい…!それも百貨店に見合ったものを…!という思いに突き動かされて作り続けるうちに、クオリティを保ったままでより早く作ることができるようになったのです。
次に、お客様との交流が本当に楽しいと思えるようになりました。
昨年は百貨店に出始めたばかりで「いらっしゃいませ」を言うのにも緊張していたのですが、周りのベテラン作家さんたちの接客方法を見て素敵だなぁと思った部分を取り入れていくうちに、だんだんと接客のコツがつかめてきたように思うのです。
もちろんまだまだ改善の余地ありですが、伸びしろだと思って今後も精進していきたいです。
そしてこれが一番の成果なのですが、一緒に出ている作家さんに頼ることができるようになってきました。
9月と今回の出展中、精神的に不安定な状況なのもあり、どうしても涙が止まらなくなってしまう場面がありました。
そんな時、優しい周りの作家さんが「ちょっと休んでおいで」とお声がけして下さり、ありがたくそのお言葉に甘えてしっかり休憩を貰うことで、気持ちを立て直すことができました。
以前の自分だったら多少無理してでも感情を抑え込んで人前に立っていたと思います。
そんな私にとって、ちょっと甘えさせてもらったらちゃんと切り替えることができたというのは、大きな成功体験になりました。
今年1年、大変の状況下でも自分の好きなことを全うできました。
得るものがものすごくたくさんありました。
それは今後の人生においても大きな糧となると思います。
2024年に向けて
とはいえ、ずっと走り続けてきたのでやっぱり疲れました!
精神的に不安定な状況のなかで人前に立ち続けるのはやはり相当消耗するものです。
2024年最初の出展は1月14日の東京ビッグサイトでのハンドメイドインジャパンフェス(HMJ)ですが、それが終わったら5月のデザフェスまでは対面販売をお休みしようと思います。
その間も制作は続けますし、ずっと止まってしまっていたCreemaでの販売も再開したいと思ってます。
まだまだ作りたいものはいっぱいありますので、楽しみにしていてください!
来年もわたしらしく、挑戦する気持ちを忘れずに、自分のピンときたものにとことん向かっていく1年にするつもりです。
2024年もみずうみのほとりをどうぞよろしくお願いいたします。
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